環境への取り組み
ENVIRONMENT
「焼酎粕」リサイクルへの取り組み
本格焼酎造りの製造過程で生じる「焼酎粕※1」には、実はたんぱく質や脂質、ビタミン類などの栄養成分が豊富に含まれています。雲海酒造では業界に先駆けて、1999年に「焼酎粕」に含まれる有用かつ貴重な栄養資源の完全リサイクル化を目的に、飼料事業部を設立し、事業をスタートしました。
※1「焼酎粕」は「もろみ」を蒸留した後に残る液状の副産物
単なる“処理”では、リサイクルは進化しない
私たちは、リサイクルを“処理”だとは位置づけてはいません。あくまでも“事業”でなければと考えています。「焼酎粕」を単なる廃棄物として処理するのではなく、麹と酵母が作り出した食品製造副産物として有効利用し、家畜飼料として製造・販売することで、経済性と環境性を両立した採算の取れるリサイクル事業として確立しています。
地元・宮崎県は畜産王国としても知られ、肉用牛(和牛)の生産でも高い評価を受けており、牛用飼料の製造・供給に特化することで、地元企業として地域の畜産業への貢献も目指しています。
雲海酒造の牛用飼料の特徴
「焼酎粕」は栄養成分が豊富に含まれていることから腐敗が早く、飼料原料として活用するためには一次加工する必要があります。私たちは「焼酎粕」を液部と固形部に分け、麹と酵母が作り出した栄養成分を壊さないように独自の技術(液部:低温濃縮、固形部:低温真空乾燥)を活用して保存性を高めています。また、畜産農家の皆さまと直接対話しながら改善・改良を重ね、年間を通して質の高い牛用飼料を安定して供給できるように努めています。
「焼酎粕」を牛用飼料にリサイクルするメリット
- 環境負荷の低減
廃棄物として処理せずに、地域でリサイクルすることで循環型社会に貢献 - 牛の健康増進
牛の胃・腸内環境を改善し、繁殖成績・増体・乳量アップをサポート - 飼料自給率の向上
海外輸入飼料の代替として、安心・安全な飼料の安定供給が可能 - 地産地消型畜産
地元焼酎メーカーと畜産農家が連携する地域資源循環型モデル
「焼酎粕」を活用した牛用飼料の製造イメージ
本格焼酎造りもリサイクルも品質が大切
私たちは、たとえリサイクル製品であっても、世の中から求められるもの、必要とされるものを生産することが基本であり、本格焼酎造りと同じようにリサイクル製品も品質が大切だと考えています。
“処理”ではなく、“資源化”へ──。私たちはこれからも、「焼酎粕」のリサイクルを通じて、地域資源を活用した循環型社会の構築に取り組んでいきます。